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  → プロフィール
    越尾真介・SUNDAY-VISION代表
1975年生まれ
グラフィックデザインを軸に、映像、WEB、ウェアデザインなど幅広く活動。
また、国内及び海外のアートブックやギャラリー企画展覧会など多数参加している。
主な仕事
UKアパレルブランド[MACHINTOSH]のテキスタイル[ForMAC’s]デザイン、 Parisセレクトショップ[Parfumarie Generale]ロゴ・キービジュアルなどの海外の仕事。
[PARCO]2006全館、[LAFORET原宿松山]、[FORET]、[町田modi]などデパートのアートディレクション。
[菊地成孔]、[ホフディラン]、[嵐]などのCDジャケットや[安室奈美恵]フォトブックのアートディレクション。
[宇多田ヒカルsingle collection]、[PARCO]、[LAFORET原宿松山]CFディレクション。
[SONY TOWER]、[Virginia Slims Rose]などのキーヴィジュアルや[BRUTUS][Casa BRUTUS]など表紙のアートワーク。
資生堂[MA CHERIE],[eau de recipe],[ANESSA]、宇多田ヒカル[Hikki’s Web Site] 、[Mondo Grosso]、[X-girl]などの WEBディレクション。
[HONDA FUSION]スクーター、[Be.bike]自転車などのオリジナルデザインなど。

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   スケートボードと音楽と友達が根源的なもの
 


○会社は卒業後、すぐに立上げたのですか。

    予備校時代の仲間が、大学に行かずにデザイン事務所を立ち上げていたので、それを手伝ったり、現場を見させてもらったりして、大学に入ってからは見様見真似で仕事を受けるようになりました。卒業するまでに何とか“この仕事でやっていける”という環境を築きたかったので、とにかく安い仕事でもどんどん量を増やしていって、人脈や仕事のノウハウ、流れなどを覚えました。SUNDAY-VISIONは在学中に立ち上げ、卒業してすぐに事務所を設立しましたが、食べていける仕事の量を確保できました。仕事と勉強の両立は結構大変で、時には課題提出が遅れたこともありましたね。フライヤー、プロモーション用のポスターなどの仕事と学校の課題と自分自身の作品制作と同時進行で進めていました。。

○在学中からすでに卒業後の仕事を意識していたわけですね。私の頃は、大学出てから実践を学ぶために専門学校に行く人もいましたが。
    大学ではパソコンを使ったり版下をつくったりするような実践的なことよりも、アイディアソースのつくり方などを教わりました。実践できないことの多くは、仕事の中で学びましたが、グラフィックコースはより商業に近かったということもあって、そのまま仕事につながりました。

○ビジョンがはっきりしたのはいつ頃ですか?
    予備校の友達がやりはじめたものを見ながら、音楽やスケートボードをやっていたその流れに身をまかせているうちに、遊びのツールの中から仕事が生まれ、「この仕事をやって行ければ、とりあえずは生活していけるかも」と思いました。スケートボードがあって、音楽があって、友達がいてというのが自分の中での根源的なものですね。楽しいことをなるべくやって行きたいと思いながら、なんとか10年間はやって来れましたね。(笑い)

○うらやましい流れできていますよね。「SUNDAY-VISION」の意味は何かあるのですか?
    意味合いはなくて、言葉の響きで決めました。学生だし顔も童顔なので、個人名よりも何か“屋号”のようなものがあった方が印象はいいかな?という感じです。(笑い)



   デザイナーというスタンスで時代に乗っていきたい。
 


○作ったデザインが街に溢れることはどうですか?。

    確かにうれしいですが、それよりもビジュアルを想定して、どんな刺激を与えられるかを想像して作業しているときが一番楽しいですね。

○過程を楽しんでいるわけですね。動物や生き物などのナチュラルなモチーフが多いようですが。。
    卒業後は自分のルーツであるスケートボードシーンやアメリカ西海岸のイメージが強いものをモチーフにデザインする事が得意でした。その後2002年の個展で、時代の流れを感じ、より中性的で繊細また懐古主義的なモチーフを発表しました。自分の中ではデザイナーとしてのアートワークは時代性に合っていて、求められているものをつくり出せればいいかなと思っています。求められているものが変わればどんどん自分を変えていきたいですし、グラフィックアートの分野でもデザイナーという“スタンス”(立位置)で、有効に時代を見据えて行きたいですね。

○作品に日本らしさのようなものを感じます。意識していますか。
    同じモチーフにしても、ボクがデザインすることによって刺激的で、記憶に残るものになればいいと思います。ナショナリティ(国民性)も、日本に生まれて東京で仕事している中で、出せるときに出していければいいと思っています。漆塗りのスケートボードは前々からやりたいと思っていたのですが、たまたま鎌倉彫の職人さんと出会えたことによって、作品として完成させることができました。ロンドンなどの海外で評判がよかったですね。プライベートの中で常にあれをやりたい、これをやりたいというのが漠然とあって、その中の何個かに日本的なものが含まれている感じです。



   いつも何かをつくりたいと思っている。
 


○自分らしさとはなんですか。

    自分自身を客観的に見て、個性を出す事がメインの作品制作とメッセージや商品を伝える事がメインのデザイン仕事を両立している部分だと思います。ただ最近は作品制作=仕事という構図が多いですが。

○普段心がけていることは。
    アイディアはまず、つくってみることを心がけています。形にすることによって気づくことがあるし、そうすることによって引き出しが増えて、「この仕事ではこのアイディアを使ってみよう」という発想のもとになります。友達と話したり、散歩したり、飲んだり、寝ていても発想は浮かびますね。仕事が趣味の延長線上にあるから、いつも何かをつくりたいと思っています。(笑い)

○ほとんど仕事漬けの日々ですか。
    仕事量が多いので時には監禁状態になりますね。(笑い)それで、ふらっと南の島かヨーロッパに出かけることもあります。

○それが発想の原点やアイディアソースとなりますか。
    なる時もあればならない時もある。ただ、どこに居ても刺激はありますし、南の島でリラックスしている時も変わらないですね。

○仕事の分野も多岐に渡り、ディレクションや共同作業は大変ではないですか。
    一人では何もできないことも、いろいろなスペシャリストとの共同作業によって、作品になります。音楽をやっている時のバンドと一緒です。仕切ったり交渉したりした経験が、今活かされていると思います。



   デザイナーは何でも描けたほうがいい。
 


○物事を客観的に捉えることが得意のようですね。ムサビに行くきっかけは。

    高校時代は漫然と文系の普通大学を希望していました。その後、美大予備校に行った友達がものすごく楽しそうで、4年間勉強するなら興味のある“美大も有り”かなと思いはじめて、一浪の夏に美大予備校に通い出したのがきっかけです。さすがに半年では受からなくて、もう一年かかりました。

○そのときの決断が良かったわけですね。今でも音楽をやったりすることはありますか。
    最近は全然やっていません。時間があったらやりたいですが、もっと他にやりたいこともありますし・・・。 ただ、次にどういうメンバーでどういう音楽をやるといいかな?と考える事が楽しかったりします。

○イラストを描かないデザイナーもいますが、越尾さんはご自分でも描いていますよね。
    僕の場合も最初の頃に予算がなくて、それで仕方なく自分でイラストを描きはじめたのがきっかけです。デザイナーの描くイラストはその時々にあわせてタッチも変えて、嗜好も変えるのが理想的です。イラストレーターの場合は常にタッチを継続することによって、オリジナル作品になると思います。

○どの仕事も思い出はあると思いますが、特に印象に残っている仕事はありますか。
    このカタログ(長方形が六角形に折り込まれたものphoto)は自分の中でもすごく気に入っています。限られた予算の中で、どれだけ人をビックリさせられるか試行錯誤の上、“折り”から考えました。万華鏡がテーマで、まずカタログとして並列で見ることができて、さらに開いてみると裏面に詳細が見えるようになっています。海外の雑誌やアートブックにもすごく注目され、今まで10何冊に掲載されましたし、今でも時々問合せが来ます。



   新しい分野の仕事はドキドキ、ワクワクする。
 


○今後やって見たいことやはじめていることは。。

    今まで映像やWEB、紙媒体のグラフィックなどの近い距離の対象のものが主でしたが、最近ではショップやデパートの内外装を触らせてもらっています。どこにどういうビジュアルや色味を持っていくか、空間(距離)を意識して考える事が多く、ドキドキしながらやっています。また、今までに制作したHONDAのスクーターやBe.bikeの自転車などのカスタムデザインもとても興味深く、今後増やしていきたい仕事ですね。

○是非観てみたいですね。海外へはどういうアプローチをしているのですか。
    アプローチはしていないですが、たまたまボクの作品を気に入ってくれたのがきっかけで、イギリス、ドイツ、スペイン、香港などから雑誌やアートブックに載せたいという依頼が来るようになり、提供するようになりました。結果としてそれが勝手に営業になっています。

○CMやWEBも手掛けていらっしゃいますが、今後どうなっていくと思いますか。
    TVとWEBは個々の違いの中で、うまく共存していると思います。今後は、TVの多チャンネル化の波も確実に進行していますし、インターネットもすでに低年齢層から一般化されています。部活や勉強に追われる学生には携帯でのインターネットが最も視聴するメディアかもしれません。今後はより対象に合わせて効率的に媒体を選び、メッセージを配信する事が重要だと思います。



   デザインは求められてこそ作品
 


○学生時代の一番の思い出は何ですか。

    学校には適度にまじめに行っていました。今の西東京市に住んでいたのでバイク通学していて、友達に会えるのがうれしかったですね。一緒にいて雰囲気をつくってくれる人、飲んで楽しい人、年齢もまちまちでしたが、リラックスしたり、刺激をもらったりすることがメインでした。当時から、「この人凄いなー」と思った人は今だいたい活躍していますね。仕事しながら通っていたので、学校にどっぷりつかる感じではなく、むしろ隅っこにいましたね。(笑い)

○学生へのアドバイスはありますか。
    オリジナリティは教えてもらうことは出来ないから、自分で開拓するフットワークの軽さが必要ですね。授業は授業で、オリジナリティは別として考えていければいいし、求められてこそ作品になります。

○次回お友達をご紹介ください。
    大学時代からミュージシャンとしてファンで、この業界に入ってからアートディレクター、グラフィックアーティストとしても尊敬する「SILENT POETS」下田法晴(しもだ みちはる)さん。多彩な才能を発揮し海外でもとても評価が高いです。たまたま知り合いに紹介していただいたのが縁でした。

○今日はありがとうございました。



   編集後記
  バリバリと仕事をされている印象とは逆に、穏やかでやさしい笑顔のお人柄が、物事を客観的に見る才能とセンスの良さを後押ししているように感じました。ますますのご活躍を期待しております。(中)

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