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HOME  > 卒業生インタビュー  > No.10 山上 敏樹 [NPO法人子どもアイデア楽工(がっこう)理事長、講師]

[msb! caravan]

No.10 山上 敏樹 [NPO法人子どもアイデア楽工(がっこう)理事長、講師]

山上 敏樹 やまがみ としき
NPO法人子どもアイデア楽工(がっこう)理事長、講師
(1982年度武蔵野美術大学造形学部芸能デザイン学科)

1958年京都府生まれ。大学卒業後、ホンダランド(現、モビリティランド)入社。
遊園地研究開発部門でアトラクションデザイナーを経て、鈴鹿サーキットの「コチラのプッチタウン」、「アクア・アドベンチャー」など、子どもが主役の「自らが操る」テーマパークエリア開発に従事。
本田技研工業(株)の「子ども研究」参画を機に、遊びながら学ぶ独自の「能動体験型学習法(R)」を考案。
知識を知恵に変え、2つのソウゾウリョク(想像力と創造力)を引き出すために、コーチングスキルを用いた「子どもアイデア楽工(がっこう)」を設立。
現在は幼保小中のPTAや教育関係者向けの講演・セミナー・ワークショップ、
新入社員・教員研修や企業研修など幅広く全国展開している。

主な著書は『たった4つの言葉が、子どもの能力を引き出す!』(PHP研究所)。

【スライド写真について】
1 ご本人ポートレイト
2 子どもたちが廃材で作ったシンプルな構造の電動マシンを実演する山上コウチョウ
3 木材が豊富にストックされている教室
4 バードカービングと絵画を融合させた作品
5 子どもたちが丸太で作ったサンタクロース

プロフィールを見る

「ないものねだりではなく、あるものみがき」名脇役としてのコウチョウになる

− 職業の決め手は

HONDAでアトラクション企画開発や、多摩テック園長に就任し閉園まで携わったことから、次第に子どもを取り巻く様々な環境に関心を持つようになり、子どもたちには「原体験のひきだし」が必要不可欠だと確信しました。未来を担う子どもたちのために早期退職をしてでも取り組もうと決意した頃に、廃校になった小学校の活用コンペがあり応募したら採用され一気に実現しました。


− 学生時代のエピソードは

一番最初の授業で「腕時計を外し、その文字盤を見ないでデザインを再現しなさい」という課題に、衝撃を受けました。毎日身につけ頻繁に目にしているのに全然描けなかったんですね。人って見ているようで見ていないんだなと気づき、以来意識して物を見るようになりました。当時は空間演出デザインが脇役デザインであるということに疑問や悔しさが生まれることもありました。ですがそのことが後々に活きて「いかに名脇役になるか?」という大事な視点を得ることができました。

 

−仕事で一番大切にしていることは

未来を担っていく「子どもが主役」であり、必要なことは何か?と常に考えています。
それと「叶えたい100個の夢を持つこと」大きな夢だけではなく小さな夢でもいいから実際に行動して自分で叶えていくことですね。
そして「頼まれごとは試されごと」と思って断らないこと。引き受けて能力を伸ばす機会として全力で取り組めば、最初は不安に思ったことでもできるようになっていきます。

 

−現在旬なことは

2016年に本を出したことです。最初は母親向けに書き始めたのですが父親や幅広い世代に向けても必要なメッセージが次々と出てきて今後のビジョンへとつながるものになりました。


山上さんが得意とするバードカービングの講座でコウチョウの話に耳を傾ける子どもたち

−今後の希望や企画は

「子どもアイデア楽工」を全国に拡げていきます。ゼロから立ち上げたノウハウを講座にまとめ、認定講師制度を設けます。全国の子どもたちに「教えない教育」である能動体験学習の機会を増やしていきたいですね。
それと「AM-1(アムワン)グランプリ」というのを立ち上げるために準備しています。これは「あるものみがきコンテスト」とも言えるのですが「子どもアイデア楽工」と同じように牛乳パックとかダンボールとか不要になった「あるもの」で造形してアイデアを形にすること、そしてその造形物を使いロボットコンテストのようにチームで戦ったりしてチャレンジする全国規模の大会です。

個人的には今年で4回目になるホノルルマラソンへの参加をしつつアイデアの羽を伸ばし、さらに認定講師用テキストの執筆もします。


廃材の箱で作ったショベルで玉をすくうゲームを実演する山上さん

−夢をかなえるためのひと言は

「ワクワクとコツコツ」ですね。これは2つの「ソウゾウリョク」とも言えます。1つは想像する力、この段階では実現可能かどうかという判断は本来不要なんです。もう1つは創造する力、あるものを最大限に活かして形にする、この2つをバランスよく取り組むこと。

 

−美術やデザインの力とは

可視化して分かりやすくすること。ツールとして人に何を訴えられるのか?構成力やシナリオによっては人を感動させるというところまでできるものだと考えます。


子どもアイディアコンテストに出品した子どもたちの作品

− 編集後記

多度駅から少し離れた里山にある「子どもアイデア楽工」に着いた途端「コウチョウ!」と数名の子どもたちが山上さんめがけて駆け寄ってきました。話を聞いてもらいたくて仕方がない様子でとても信頼され慕われているのがよくわかりました。通る声で元気ハツラツとしている山上さんのお話は子どもを持つ私にとって深く共感できるところが多く、とても良い刺激をいただきました。校友発掘キャラバンを通して出会えたことに感謝しながら帰路に就きました。

取材:林 葉月 [「甘夏ハウス」主宰]

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